桜山・滝子(名古屋市昭和区・瑞穂区)

2007年9月17日、2008年10月10日、2009年3月23日・7月8日撮影

桜山(さくらやま)・滝子(たきこ)は名古屋市中心部のやや南東寄り、昭和区と瑞穂区に跨って広がるまちです。周辺には名古屋市立大学・附属病院、市立博物館などがあり、文教地区として知られ、街並みは賑やかさと落ち着いた雰囲気を併せ持っています。
このあたりには明治から大正にかけて旧制第八高等学校・名古屋高等商業学校(現:名古屋大学)や第五中学校(現:瑞陵高校)などが相次いで開設され、学生街として発展しました。また、1920年代には大規模な区画整理が行われ、同時期に市電も開通し、その頃から急速に市街化が進みました。その後、市電の路線網はさらに発達し、桜山は三方に路線が伸びる交通の要衝となり、市内でも有数の巨大な繁華街として発展しました。
市電は1974年に廃止され、鉄道空白地帯となった桜山は長らく衰退が続きましたが、1994年に地下鉄桜通線が延伸開業し、20年ぶりに鉄道が通ることになりました。かつてほどの賑わいは見られなくなったものの、あちこちに昭和の風情が残っています。


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市道環状線(桜山・桜見銀座・瑞穂通商店街)

市道環状線

市道名古屋環状線は、桜山地区を南北に貫くメインストリート。通り沿いは古くからの商店街だが、ここ10年ほどでマンションが急激に増加している。
写真は桜山市街の北部、桜山町1交差点から北を眺めたところ。この少し先から左に入ると恵方市場がある。さらに北へ進むと御器所・今池方面に至る。

2009/03/23撮影

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市道環状線(桜山商店街)

桜山交差点に近付くと、片屋根式アーケードの桜山商店街が形成されている。

2009/03/23撮影

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市道環状線(桜山商店街)

西側の歩道の様子。この裏手にボンボンセンターがある。

2009/03/23撮影

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桜山交差点北西

桜山交差点は、市道環状線と八熊通りが交差する巨大な交差点。1928年に市電が西の滝子から延伸してきて、その頃から市街化が進んだ。その後市電はここから南に伸び、1932年には市民病院前(現:博物館前交差点付近)まで、1941年に新瑞橋まで開通した。さらに、戦後の1950年には北に伸びて大久手までの区間が開通し、桜山町駅(後に市立大学病院前駅と改称)は分岐駅となった。
その後、モータリゼーションの進展により市電は次々と廃止されたが、桜山は市電が最後まで残っていたところで、1974年3月のサヨナラ運転では大勢の人に惜しまれながら最終列車がここに集結した。
写真は桜山交差点の北西の角。終戦直後はこのあたりに闇市が形成されたという。

2009/03/23撮影

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地下鉄桜山駅

桜山交差点の北西にある8番出口。桜山駅は現在もこの地域の拠点であり、駅の利用者数(改札を通る人の数)は隣の御器所駅に匹敵する。
撮影時、早咲きの桜の花が咲き始めていた。桜山という地名はかつて桜の名所であったことから名付けられたそうだが、都市化に伴って伐採が進み、現在は再植樹された木がちらほら残るのみである。

2009/03/23撮影

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地下鉄桜山駅の壁画

桜山駅の1・2・7・8番出口付近には、市電が走っていた時代の桜山の街を描いた壁画がある。
写真にカーソルを重ねると、別の壁画が見られます。

2009/07/08撮影

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市道環状線(桜山商店街)

桜山交差点から南を眺めたところ。左側に見える建物は昭和郵便局で、その奥には名古屋市立大学川澄キャンパス(医学部・看護学部・附属病院)がある。
かつてはお洒落なファッション雑貨店などが並び、若い人の姿が多かったそうだが、近年は石川橋方面に衣料品店が多くなり、こちらは押され気味になっている。

2009/03/23撮影

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市道環状線(桜山商店街)

写真にカーソルを重ねると、約1年半前の同じ場所の写真が見られます。
桜山交差点の南西の角。昔ながらの書店やたばこ屋が並び、市電の駅前だった時代を彷彿させる。

2009/03/23撮影・2007/09/17撮影

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市道環状線(桜山商店街)

手前に見えるお店は、空店舗を利用した商店街のコミュニティ施設「さくらやまーけっと」。名古屋市立大学と連携して商店街のPRを行っており、駄菓子屋カフェ、レンタルスペース、長野県木祖村のアンテナショップなどがある。

2009/03/23撮影

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市道環状線(桜見銀座商店街)

桜山交差点から南へ進んだところ。ここから先は昭和区桜山町から瑞穂区桜見町に入り、桜見銀座商店街となる。
この真下にある地下鉄桜山駅は、敷地が昭和区と瑞穂区に跨っており、構内の通路には区の境界を示すプレートが貼ってある。

2009/07/08撮影

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市道環状線(桜見銀座商店街)

桜見町という地名は、かつて桜並木があり、多くの花見客が訪れたことから名付けられたという。

2009/03/23撮影

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市道環状線(桜見銀座商店街)

桜見町の歩道橋から北を眺めたところ。左手には桜見銀座商店街、右手には市立大学がある。
この左側の裏手には食品スーパーのピアゴ桜山店がある。もともとは1968年にオープンしたユニー桜山店で、この地域の商業の核として賑わったが、1998年に規模が縮小されてユーストアとなり、2009年に店舗ブランド改称によりピアゴとなった。

2009/03/23撮影

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市道環状線(桜見銀座商店街)

桜見町の歩道橋から南を眺めたところ。桜見銀座商店街はこの先の市大病院前交差点まで続く。

2009/03/23撮影

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市道環状線(桜見銀座商店街)

2007/09/17撮影

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市道環状線(瑞穂通商店街)

市大病院前交差点から南へ進んだところ。ここから先は片屋根式アーケードの瑞穂通商店街となる。
桜山駅に近い便利さから、近年はマンションが急増している。

2009/03/23撮影

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市道環状線(瑞穂通商店街)

西側の歩道の様子。この向かい側に名古屋市博物館があるため、「博物館前商店街」という愛称が付けられている。

2009/03/23撮影

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名古屋市博物館

瑞穂通商店街沿いに建つ歴史博物館。名古屋市の人口200万人突破を記念し、1977年に開館した。
1966年まではこの場所には市立大学病院があったが、移転し、現在は300mほど北に建っている。

2009/07/08撮影

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市道環状線(瑞穂通商店街)

西側の歩道の様子。昔ながらのお店も多い。

2009/03/23撮影

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市道環状線(瑞穂通商店街)

博物館前交差点の歩道橋から北を眺めたところ。このあたりが桜山市街の南端になる。1974年まではこのあたりに市電の瑞穂通一丁目駅(旧:市立大学病院前駅)があった。
さらに南へ進むと新瑞笠寺方面に至る。

2009/03/23撮影

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恵方市場周辺

恵方市場の路地

市道環状線の恵方町交差点の北西にあるL字型の小さな路地。細かいお店が密集している。

2009/03/23撮影

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恵方市場の路地

L字の曲がり角のところから東(市道環状線方面)を眺めたところ。
このあたりは地下鉄桜山駅と御器所駅のちょうど中間にあたり、1974年までは市電の恵方町駅があった。

2009/03/23撮影

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恵方市場の路地

南側の入口から眺めたところ。気を付けていなければ通り過ぎてしまいそうな路地だ。

2008/10/10撮影

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若柳町通り

恵方市場の南側の若柳町(わかやぎちょう)の通り。手前から1軒目と2軒目の間にある狭い隙間が恵方市場の南側の入口。

2009/03/23撮影

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ボンボンセンター

ボンボンセンター入口

桜山交差点から北へ2つ目の通り(丸屋町通り)を西に入ってすぐのところにある路地裏の飲食街。
名古屋では有名な老舗の喫茶店、ボンボン桜山店(本店は鍋屋町商店街)の隣にあることから、「ボンボンセンター」、「ボンボン横丁」などの愛称で呼ばれている。通りは非常に狭く、入口付近でかぎ型に屈曲している。まさに昭和の横丁といった風情だ。

2009/03/23撮影

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ボンボンセンター

通りは南北に30mほど続いている。以前は知る人ぞ知るといった雰囲気だったが、近年は地元のテレビなどで紹介されるようになり、ここ数年で小綺麗に改装されたお店も多い。

2009/03/23撮影

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丸屋町

丸屋町通り

八熊通りの2つ北を並行する通り。かつては多くの財界人が住んでいたそうで、黒壁の古い屋敷が点在している。

2007/09/17撮影

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丸屋町通り

周辺は建築協定が結ばれ、閑静な住環境が維持されている。

2007/09/17撮影

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八熊通り

八熊通り

桜山地区の中央を東西に貫く通り。この通り沿い(金山−桜山間)は市電が最後まで残った区間の一つで、現在も需要が高く、市バスが高頻度で運行されている。
ここから西へ進むと滝子交差点に至る。

2009/03/23撮影

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八熊通り

桜山交差点に近いあたりは片屋根式アーケードが設けられている。

2009/03/23撮影

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八熊通り

市道環状線と交わる桜山交差点から西を眺めたところ。

2009/07/08撮影

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八熊通り

桜山交差点から東を眺めたところ。右に見える建物は昭和郵便局。

2009/03/23撮影

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郡道(滝子商店街)

郡道(滝子商店街)

郡道は呼続笠寺(南区)と古井ノ坂(千種区)を結ぶ道で、1909年に旧愛知郡によって「郡道千種街道」として整備された。愛知郡内にはいくつもの郡道があったが、代表的だったこの道路だけが現在も「郡道」と呼ばれ続けている。

2008/10/10撮影

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郡道(滝子商店街)

この東側の向陽高校・桜山中学校のあたりには、昔、広見池という池があった。その池の水の一部が南の方へ流れ、現在の滝子交差点のあたりで滝になっていたことから、「滝子」の地名が付いたと言われる。
広見池は大正末期から昭和初期にかけて埋め立てられたが、「広池町」や「池端町」という地名にその名残を留めている。

2008/10/10撮影

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郡道(滝子商店街)

丸屋町通りとの交点から南を眺めたところ。

2008/10/10撮影

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丸屋町通り

郡道と丸屋町通りの交点付近には飲食店が集まっている。

2008/10/10撮影

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郡道(滝子商店街)

八熊通りの滝子交差点付近から北を眺めたところ。

2008/10/10撮影

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滝子商店街振興組合のモニュメント

滝子地区には1908年に旧制第八高等学校(現在の名古屋大学の前身の一つ)が開設され、郡道沿いに学生向けの店が建ち並んだことから商店街が形成された。このような由来から、滝子交差点の南東には旧制八高の正門の門柱をイメージしたモニュメントが建っている。
なお、実際の旧制八高の正門は現在、博物館明治村(犬山市)の正門として使われている。

2009/03/23撮影

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郡道(滝子商店街)

八熊通りの滝子交差点から南を眺めたところ。交差点の南北には「滝子商店街」と書かれたアーチが架かっている。
この場所には1923年に市電の滝子駅が開業し、街が発展する大きなきっかけとなった。当初は終点の駅だったため、桜山・石川橋方面へ向かう客がバスに乗り継ぐことから人通りも多く、飲食店や映画館が建ち並ぶターミナル的な商店街だったという。しかし1928年に市電が桜山まで延長されると、桜山に賑わいが移り、こちらは衰退したそうだ。
市電は1974年に全廃となり、現在滝子地区にはバスしか通っていない。

2008/10/10撮影

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郡道(滝子商店街)

滝子交差点から南へ進んだところ。昔ながらのお店が連なる。

2009/03/23撮影

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郡道(滝子商店街)

左側に見える「丸八寿司」の看板の奥には、アーケード付きの入り組んだ路地が伸びている。

2009/03/23撮影

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郡道(滝子商店街)

奥に見える木立のあたりが旧制八高だった場所。戦後は新制名古屋大学の教養部となったが、1965年に千種区の東山キャンパスに移転した。跡地には名古屋市立大学山の畑キャンパスが建っており、滝子は今も変わらず学生街であり続けている。
このあたりから先は瑞穂区となり、さらに南へ進むと雁道地区を経て堀田方面に続く。

2008/10/10撮影

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滝子交差点南西の路地

南の通り

滝子交差点近くの郡道沿いから西へ、アーケード状の屋根が付いた路地が伸びている。
東西に伸びる通りが南北に2本あり、写真は南側の通り。入口には「丸八寿司」の看板が出ているが、それ以外にも数軒のお店がある模様。

2008/10/10撮影

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南の通り

かつての市場の雰囲気が残っているが、営業しているお店は少ない。
路地の突き当たりにはさらに南北に伸びる通りがあり、全体で「F」の字のような形になっている。

2008/10/10撮影

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北の通り

こちらは北側の通り。郡道側の入口には看板もなく目立たないので、注意していなければ通り過ぎてしまう。

2009/03/23撮影

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西の通り

2本の路地の西側に、南北に伸びる路地。
この通りの南端からは、さらに西の方に伸びる路地(アーケードはなし)があり、反対側の道に抜けられるようになっている。

2008/10/10撮影

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市大病院前の通り・石川橋商店街

滝子交差点南東

滝子交差点の南東の角。市電の駅前だった名残で、現在も小さなお店がごちゃごちゃと集まっている。

2009/03/23撮影

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市大病院前の通り

滝子交差点から市大病院前交差点に向かって斜めに伸びる道。

2008/10/10撮影

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市大病院前の通り

2009/03/23撮影

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市大病院前の通り

市道環状線と交わる市大病院前交差点から西を眺めたところ。

2007/09/17撮影

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市大病院前の通り

市大病院前交差点から東を眺めたところ。左手には名古屋市立大学川澄キャンパス・市大病院が、右手には小規模な商店街が続く。

2009/07/08撮影

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石川橋商店街(菊園通り)

市大病院前から東へ進むと石川橋商店街(菊園通り)となる。
写真は菊園町四丁目バス停付近から西を眺めたところ。

2009/07/08撮影

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石川橋商店街(菊園通り)

このあたりは、かつて尾張藩の菊園があったことから菊園町という地名になっている。

2009/07/08撮影

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石川橋商店街(菊園通り)

山崎川に架かる石川橋から西を眺めたところ。山崎川は桜の名所として知られ、川沿いは「四季の道」という散策路になっている。
左側の建物は、1934年に開設された石川橋食品市場。

2009/07/08撮影

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石川橋商店街(上山通り)

檀渓通りと交わる石川橋交差点から東へ進んだところ。
檀渓通りより東側は丘陵地帯の高級住宅街で、街並みも落ち着いた雰囲気となる。

2009/07/08撮影

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石川橋商店街(上山通り)

このあたりの坂道は昔、海が見えたことから「汐見坂」と呼ばれている。
さらに東へ進むと、雲雀ヶ岡を経て八事方面に至る。

2009/07/08撮影

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昭和美術館周辺

石川橋商店街(上山通り)から裏手に入ったこのあたりは、名古屋屈指の高級住宅街で、緑に囲まれた閑静な雰囲気になっている。
汐見町、五軒家町、南山町からなるこのエリアは、中央部から外部に向かう一方通行ばかりが設定されており、あらかじめ進入ルートを知っておかなければ大きく迂回させられるという、まるで迷宮のような特殊な構造になっている。これは、通過交通を抑制して静寂を守り、防犯のためむやみに部外者を寄せ付けないためだと言われる。

2009/07/08撮影

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檀渓通り・田辺通り

檀渓通り

檀溪(だんけい)通りは石川橋交差点を南北に通る道。周辺は高級住宅街で、ブティックや飲食店が建ち並んでいる。

2009/07/08撮影

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檀渓通り

石川橋交差点から北を眺めたところ。

2009/07/08撮影

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田辺通り

石川橋交差点から南へ進むと田辺(たなべ)通りと名前が変わる。
ここから800mほど南に行ったところには名古屋市立大学田辺通キャンパスがある。かつてはその場所に、名古屋市立女子高等医学専門学校(現在の名古屋市立大学医学部の前身)があった。

2009/07/08撮影

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