八事・杁中(名古屋市昭和区・瑞穂区・天白区)

2006年12月12日、2009年12月4日、2010年1月9日・1月18日撮影

八事(やごと)・杁中(いりなか)は名古屋市の南東部、地下鉄八事駅・八事日赤駅・いりなか駅を中心としたまちです。
古くから名古屋と信州を結ぶ飯田街道が通っており、また江戸時代には興正寺が創建され、山あいの門前町として賑わってきました。やがて明治末期に路面電車が開通すると、都心にほど近い行楽地・別荘地として発展。さらに戦後になると、中京大学・名城大学・南山大学・名古屋大学・日本福祉大学(1983年に知多郡に移転)など多くの大学が立地し、のどかな風景は一大文教地区へと変貌していきました。
現在は名古屋を代表する学生街として、またかつての別荘地に由来する高級住宅街として、穏やかに発展を続けています。


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八事地区マップ「八事八つの坂の街」

八事八つの坂の街

丘陵地帯の八事には坂道が多く、特に八事交差点を中心に放射状に伸びている坂道には、市や商店街振興組合によって愛称が付けられています。
このページでは、これらの坂の名前に沿って、参道坂から時計回りに各通りを紹介していきます。

参道坂(国道153号西部)

参道坂(国道153号)

参道坂(国道153号)

参道坂は八事交差点から北西に延びる通りで、国道153号(飯田街道)にあたる。八事山興正寺の参道にあたることから名付けられた。真下に地下鉄鶴舞線が通っており、かつては市電が走っていた、八事地区のメインストリート。
写真は八事交差点から北西を眺めたところ。この周辺一帯には八事商店街が形成されている。

2009/12/04撮影

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参道坂(国道153号)

参道坂(国道153号)

八事交差点付近の歩道の様子。
この奥にはイオン八事店(撮影当時はジャスコシティ八事)があり、特に人通りが多くて賑やかなところだ。

2009/12/04撮影

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参道坂(国道153号)

参道坂(国道153号)

大学坂との交点付近から南東を眺めたところ。
この近くにはかつて市電の八事駅があったが、1971年に廃止され、その後1977年に地下鉄鶴舞線の八事駅が開業。さらに2004年には名城線との乗換駅となった。

2009/12/04撮影

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参道坂(国道153号)

参道坂(国道153号)

サーウィンストンホテル(旧八事マルベリーホテル)の前から南東を眺めたところ。この近くには八勝館という高級料亭がある。
200mほど北西に進むと興正寺の総門があり、そこから先はしばらく郊外らしい雰囲気になる。

2009/12/04撮影

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八事山興正寺(八事観音)

八事山興正寺(八事観音)

興正寺(こうしょうじ)は八事地区に広大な敷地を持つ、高野山真言宗の寺院。1686年に創建された。
八事の街はもともと、この寺院の門前町として発展した。現在も毎月5日・13日には縁日が開かれる。

2009/12/04撮影

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八事山興正寺の五重塔

八事山興正寺の五重塔

1808年の建立で、愛知県内に現存する五重塔の中では最も古く、国の重要文化財に指定されている。
興正寺の周辺は紅葉の名所としても知られ、冬期の夜間は紅葉のライトアップが実施されている。

2009/12/04撮影

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参道坂(国道153号)

参道坂(国道153号)

興正寺の総門からさらに進み、半僧坊交差点から北西を眺めたところ。このあたりは八事駅といりなか駅の中間にあたり、落ち着いた住宅街になっている。
1971年まではこの場所に市電の半僧坊前駅があった。

2010/01/09撮影

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隼人池

隼人池

隼人池(はやといけ)は、杁中地区の参道坂(国道153号)沿いにある農業用灌漑池。1646年に、犬山城主の成瀬隼人正により開削された。現在は桜の名所として知られている。

2010/01/09撮影

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参道坂(国道153号)

参道坂(国道153号)

隼人池の北端から北西を眺めたところ。
このあたりにはかつて市電の池ノ端駅があったが、戦前に休止されている。また、右奥に入る路地は国道153号の旧道(杁中商店街)で、この先の昭和消防署八事出張所のところで再び合流する。1957年までは市電もそちらを走っていた。

2010/01/09撮影

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参道坂(国道153号)

参道坂(国道153号)

このあたりには杁中商店街(いりなかスクエア)が形成されている。
この裏手には、カトリックの名門校として知られる南山中学校・高校や、高校野球の強豪校・中京大中京高校などがあり、八事地区から連なる文教地区となっている。

2010/01/09撮影

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参道坂(国道153号)

参道坂(国道153号)

地下鉄いりなか駅2番出口の前から北西を眺めたところ。いりなか駅は、「杁」の字が常用漢字でないため、平仮名表記の駅名となっている。
1971年まではこのあたりに市電の杁中駅があった。

2010/01/09撮影

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参道坂(国道153号)

参道坂(国道153号)

山里商店街との交点(杁中交差点)から北西を眺めたところ。
さらに北西に進むと川名地区の川名本町商店街に至る。

2010/01/09撮影

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大学坂

大学坂

大学坂

大学坂は、参道坂と山手坂の間をショートカットするように延びる、全長100mほどの短い坂道。中京大学の敷地に隣接し、大学生の通行が多いことから名付けられた。地下鉄名城線が開通する前は、鶴舞線の駅から中京大学への近道としてここを通り抜ける大学生が多かったようだ。

2009/12/04撮影

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大学坂

大学坂

通りの中ほどから東を眺めたところ。八事エリアの中では数少ない裏路地的な雰囲気が味わえる小径だ。

2009/12/04撮影

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山手坂(山手通り)

山手坂(山手通り)

山手坂(山手通り)

山手坂(山手通り)は八事交差点から北東に延びる通りで、山手グリーンロードにあたる。真下には地下鉄名城線が通っている。八事エリアの中では参道坂に次いで賑わっている第二のメインストリートだが、歴史の古い参道坂に対して、こちらは戦後になってから開発された新しい道路だ。
写真は八事交差点から北東を眺めたところ。奥に見える巨大な建物は中京大学名古屋キャンパス。

2009/12/04撮影

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山手坂(山手通り)

山手坂(山手通り)

大学坂との交点付近から南西を眺めたところ。
沿道には中京大学、南山大学、名古屋大学と3つの大学があるため、学生向けのお店が目立つ。

2009/12/04撮影

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山手坂(山手通り)

山手坂(山手通り)

中京大学正門前の歩道橋から南西を眺めたところ。
右手前の建物は中京大学センタービル(0号館)、左側の大きな建物は中京大学アネックス(16号館)。アネックスは地下鉄八事駅と直結している。

2009/12/04撮影

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山手坂(山手通り)

山手坂(山手通り)

中京大学正門前の歩道橋から北東を眺めたところ。
左手に見える古い建物は中京大学旧本館(1959年竣工)。老朽化のため2011年6月に取り壊され、跡地には2013年春に新本部棟(11号館)が竣工した。
この奥の右側には八事霊園が広がっている。

2009/12/04撮影

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山手坂(山手通り)

山手坂(山手通り)

山手通4丁目バス停付近(やごと日赤歩道橋)から南を眺めたところ。このあたりは郊外型店舗が多い。

2009/12/04撮影

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山手坂(山手通り)

山手坂(山手通り)

山手通4丁目バス停方面を北から眺めたところ。
左手前の建物は、1983年にオープンしたファッションビル、「シンシア山手」。

2009/12/04撮影

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山手坂(山手通り)

山手坂(山手通り)

山手通4丁目バス停付近(やごと日赤歩道橋)から北を眺めたところ。この真下に地下鉄名城線の八事日赤駅がある。
右手前は「シンシア山手」、その奥の時計台がある建物は旧「YYYプラザ」。子ども服や子ども向け雑貨のテナントが集まる複合ビルだったが、2005年に閉店し、現在は矢崎総業名古屋支店の事務所となっている。

2009/12/04撮影

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名古屋第二赤十字病院(八事日赤)

名古屋第二赤十字病院(八事日赤)

山手坂沿いに立地する病院。地下鉄八事日赤駅と直結している。
中村区の名古屋第一赤十字病院(中村日赤)に対して、こちらは「八事日赤」の通称で親しまれている。

2009/12/04撮影

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夜の山手坂(山手通り)

夜の山手坂(山手通り)

山里商店街との交点(八事日赤病院北交差点)から南を眺めたところ。
2004年に地下鉄八事日赤駅が開業して以来、この周辺はマンションの建設ラッシュとなり、急激に人口が増加した。

2010/01/18撮影

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山手坂(山手通り)

山手坂(山手通り)

山里商店街との交点(八事日赤病院北交差点)から北を眺めたところ。
ここから先は南山大学・名古屋大学にほど近く、学生寮など大学生向けの施設が目立つようになる。

2009/12/04撮影

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山手坂(山手通り)

山手坂(山手通り)

山手通1丁目交差点から南を眺めたところ。
ここからさらに北に進むと昭和区から千種区に入り、四谷通りと名前を変え、名古屋大学のキャンパス内を経て本山方面に続く。

2009/12/04撮影

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石屋坂(国道153号東部)

石屋坂(国道153号)

石屋坂(国道153号)

石屋坂は八事交差点から東に延びる通りで、国道153号(飯田街道)にあたる。八事霊園に近く、石材店が建ち並んでいることから名付けられた。
写真は八事交差点から東を眺めたところ。左側の4車線の道路が石屋坂で、右側の2車線の道路はこの旧道にあたる塩釜坂。

2009/12/04撮影

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石屋坂(国道153号)

石屋坂(国道153号)

名城大学八事キャンパス(薬学部)の前から西を眺めたところ。

2009/12/04撮影

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石屋坂(国道153号)

石屋坂(国道153号)

名城大学八事キャンパス(薬学部)の前から東を眺めたところ。通り沿いは大型マンションが多い。
石屋坂はここで急カーブし、進路を南東に変える。

2009/12/04撮影

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石屋坂(国道153号)

石屋坂(国道153号)

奥に見える大きな建物は名城大学八事キャンパス(薬学部)。

2009/12/04撮影

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石屋坂(国道153号)

石屋坂(国道153号)

八事裏山交差点から北西を眺めたところ。ここで旧道(塩釜坂)と合流する。

2009/12/04撮影

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石屋坂(国道153号)

石屋坂(国道153号)

八事裏山交差点から南東を眺めたところ。
このままさらに南東に進むと、名城大学天白キャンパスのある塩釜口エリアに至る。

2009/12/04撮影

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塩釜坂(旧国道153号)

塩釜坂(旧国道153号)

塩釜坂(旧国道153号)

塩釜坂は八事交差点から八事裏山交差点まで、石屋坂(国道153号)のすぐ南を並行している通り。塩竃神社の参道にあたることから名付けられた。国道153号の旧道なので「八事旧道」とも呼ばれている。
写真は八事交差点からしばらく南東に進んだところ。かつては桜並木があり賑やかだったそうだ。

2009/12/04撮影

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塩釜坂(旧国道153号)

塩釜坂(旧国道153号)

旧道なので交通量が少なくひっそりとしているが、ところどころに個性的なお店が点在している。

2009/12/04撮影

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塩釜坂(旧国道153号)

塩釜坂(旧国道153号)

石屋坂(国道153号)と合流する八事裏山交差点を西から眺めたところ。遠くに日進・豊田方面の丘陵地帯が見える。
ここから南東に進むと、地名や通り名の由来となった塩竃神社がある。

2009/12/04撮影

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音聞坂(県道220号)

音聞坂(県道220号)

音聞坂(県道220号)

音聞坂は、八事南交差点で雲雀坂と分かれて南東に延びる通り。尾張名所図会にも描かれた景勝地・音聞山方面に続くことから名付けられた。
音聞山という名前は、鳴海潟(現在の緑区)から海鳴りの音が聞こえてきたことに由来すると言われ、草根集には「音に聞く 音聞山の峰高み ひびく鳴海の 沖つしら浪」と詠まれている。

2009/12/04撮影

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音聞坂(県道220号)

音聞坂(県道220号)

弥生ヶ岡バス停付近から北を眺めたところ。
この周辺は高級住宅地で、右手にはスーパー「ヤマナカ」の高級版店舗、八事フランテがある。

2009/12/04撮影

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天道坂

天道坂

天道坂

天道坂は、雲雀坂と音聞坂の間にさらに分かれて南に延びる通り。沿道に天道山高照寺があることから名付けられた。
写真は高照寺の前から北を眺めたところ。このあたりは昔から開けていたようで、新興住宅地の八事の中では珍しく古い建物が点在している。

2009/12/04撮影

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天道山高照寺

天道山高照寺

高照寺(こうしょうじ)は臨済宗妙心寺派の寺院。1741年に丹羽郡寄木村(現在の江南市布袋地区)から現在地に移転してきた。毎年旧暦10月14日には天道(おてんど)祭が開かれる。

2009/12/04撮影

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雲雀坂(雲雀ヶ岡商店街)

雲雀坂

雲雀坂

雲雀坂は八事交差点から南西へ、雲雀ヶ岡(ひばりがおか)交差点にかけて延びる4車線の通り。山手坂とともに、山手グリーンロードにあたる。
写真は音聞坂との交点(八事南交差点)から北東を眺めたところ。奥に見えるのが八事交差点。

2009/12/04撮影

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ジャスコシティ八事(現:イオン八事店)

ジャスコシティ八事(現:イオン八事店)

八事交差点の西側、参道坂と雲雀坂に挟まれた位置に建つショッピングモール。地下鉄八事駅と直結している。1993年にオープンして以来、八事エリアの商業の中心となっている。
撮影当時は「ジャスコシティ八事」として営業していたが、2011年に「イオン八事店」となった。

2009/12/04撮影

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雲雀坂

雲雀坂

ジャスコシティ八事(現:イオン八事店)の前から東を眺めたところ。

2009/12/04撮影

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雲雀坂(雲雀ヶ岡商店街)

雲雀坂(雲雀ヶ岡商店街)

昭和区・瑞穂区・天白区の境界付近から西に進んだところ。このあたりには雲雀ヶ岡商店街(愛称:ヒバリーヒルズ)が形成されている。

2009/12/04撮影

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雲雀坂(雲雀ヶ岡商店街)

雲雀坂(雲雀ヶ岡商店街)

雲雀ヶ岡交差点の東側で。このあたりは名古屋屈指の高級住宅街で、高級レストランやカフェ、ブティック、輸入家具店、アンティークショップなどが点在している。

2009/12/04撮影

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雲雀坂(雲雀ヶ岡商店街)

雲雀坂(雲雀ヶ岡商店街)

雲雀ヶ岡バス停付近から東を眺めたところ。
ここからさらに西に進むと、石川橋商店街を経て桜山・滝子方面に至る。

2009/12/04撮影

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ロマンロード専門店街

ロマンロード専門店街

ロマンロード専門店街

ロマンロード専門店街は、ジャスコシティ八事(現:イオン八事店)の敷地の一部に設けられた商店街。雲雀坂と参道坂を結ぶように延び、5軒の外部店舗からなる。

2006/12/12撮影

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ロマンロード専門店街

ロマンロード専門店街

石畳の洒落た街並みは、名古屋市都市景観賞も受賞している。

2010/01/09撮影

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杁中商店街(旧国道153号)

杁中商店街(旧国道153号)

杁中商店街(旧国道153号)

昭和消防署八事出張所の前から隼人池の手前まで、国道153号(参道坂)のすぐ北を並行する通り。
写真は山里商店街との交点(杁中東交差点)を北西から眺めたところ。かつてはこのあたりに市電の杁中駅があったが、1957年にバイパス(参道坂)に移ったのち、1971年に廃止になった。

2010/01/09撮影

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杁中商店街(旧国道153号)

杁中商店街(旧国道153号)

山里商店街との交点(杁中東交差点)を南東から眺めたところ。
裏通りながらお店の数は多く、杁中地区の商業の中心地となっている。

2010/01/09撮影

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杁中商店街(旧国道153号)

杁中商店街(旧国道153号)

通りの中ほどから北西を眺めたところ。

2010/01/09撮影

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杁中商店街(旧国道153号)

杁中商店街(旧国道153号)

国道153号(参道坂)との合流点から北西を眺めたところ。

2010/01/09撮影

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山里商店街

山里商店街

山里商店街

山里商店街は、参道坂(国道153号)の杁中交差点と、山手坂(山手通り)の八事日赤病院北交差点を東西に結ぶ通り。八事日赤駅が開業する前は、南山大学等の学生がいりなか駅からこの道を往来していたため、学生向けの商店街として発展した。
写真は杁中交差点から東を眺めたところ。奥に見える大きな建物は聖霊病院。

2010/01/09撮影

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山里商店街

山里商店街

滝川町交差点から東を眺めたところ。通り沿いにはバロー滝川店がある。

2010/01/09撮影

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山里商店街

山里商店街

滝川町バス停付近から東を眺めたところ。新しくお洒落な建物と、昔ながらの商店が混在している。

2010/01/09撮影

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山里商店街

山里商店街

滝川町東交差点から東を眺めたところ。

2010/01/09撮影

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山里商店街

山里商店街

山手坂との交点(八事日赤病院北交差点)付近を西から眺めたところ。
奥に見える大きな鉄塔は中京テレビ東山タワー。このあたりは八事日赤駅に近いため、近年開発が激しい。

2010/01/09撮影

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