下之一色・船頭場(名古屋市中川区・港区)

2006年10月27日・2009年6月12日撮影

下之一色(しものいっしき)は名古屋市の南西部、庄内川と新川に挟まれた細長い三角形の街です。地元では略して「一色」と呼ばれることもあります。
昔から海に近かったこの街は、庄内川流路変更工事(1768年)・新川開削(1784年)をきっかけに現在のような川に挟まれた地形となり、河口の漁師町として発展してきました。かつては「名古屋の台所」と呼ばれ非常に繁栄しましたが、1937年に名古屋市に吸収された頃から水質の悪化が進み、さらに1959年の伊勢湾台風で壊滅的な被害を受け、漁師町としての歴史に終止符を打ちました。
ただ、半世紀近く経った今も往時の名残は随所に残り、名古屋市では珍しい魚市場が設けられています。また、閑所(かんしょ)と呼ばれる狭い路地が入り組んだノスタルジックな街並みは、名古屋から遠く離れた海沿いの田舎町に来たような錯覚を起こさせます。
なお、ここでは下之一色に隣接する港区の船頭場(せんどうば)地区も紹介します。


Mapionのマークをクリックすると、撮影場所の地図が開きます。

このページでは一部の写真に、カーソルを重ねることによって画像が変化する仕組みを使用しています。
Internet Explorerで情報バーが表示されるときなどは、「ブロックされているコンテンツを許可」を選択し、アクティブコンテンツを有効にしてください。

本町通り

本町通り

本町通り

本町通り(県道106号)は、新川に架かる両郡橋から国道1号の下之一色交差点までを結ぶ通り。下之一色の街のメインストリートで、「本通り」とも呼ばれている。
写真は両郡橋から北を眺めたところ。「両郡橋」の名は、愛知郡下之一色町(現:中川区下之一色町)と海部郡南陽町(現:港区船頭場)を結んでいたことを示している。

2006/10/27撮影

Mapion
本町通り

本町通り

両郡橋から北に進んだところ。
もともとは大門通りや銀座通りが下之一色の中心街だったが、戦後になってこちらに賑わいが移ったようだ。

2009/06/12撮影

Mapion
本町通り

本町通り

銀座通りとの交点から北を眺めたところ。

2009/06/12撮影

Mapion
本町通り

本町通り

このあたりが下之一色の街の中心街になる。

2009/06/12撮影

Mapion
旧エビス湯

旧エビス湯

本町通り沿いにある銭湯。大正ロマンを感じさせる店構えで親しまれてきたが、2003年ごろに廃業された。
下之一色では銭湯は漁師たちの社交場だったようで、最盛期は町内に7軒(東湯、アルプス温泉、安楽湯、エビス湯、延命湯、栄湯、新元湯)もあったという。現在はこのエビス湯も含め、多くが廃業してしまっている。

2006/10/27撮影

Mapion

本町通り

写真にカーソルを重ねると、約3年前の同じ場所の写真が見られます。
名古屋下之一色郵便局付近から南を眺めたところ。

2009/06/12撮影・2006/10/27撮影

Mapion
本町通り

本町通り

名古屋下之一色郵便局付近を北から眺めたところ。奥に旧エビス湯の煙突が見える。

2009/06/12撮影

Mapion
正色市場

正色市場

本町通り沿いにある公設市場。現在の建物は1921年に建てられたもの。
下・ノ・一の3文字を組み合わせると「正」の字になることから、この地域では下之一色を「正色(しょうしき)」と略す習慣があり、小学校や消防団の名前にも使われている。

2009/06/12撮影

Mapion

本町通り

写真にカーソルを重ねると、約3年前の同じ場所の写真が見られます。
正色市場付近を北から眺めたところ。3年間ではさほど変化していないが、少しずつお店の数が減っている。

2009/06/12撮影・2006/10/27撮影

Mapion
本町通り

本町通り

このあたりは長屋風の小さなお店が多い。

2009/06/12撮影

Mapion

本町通り

写真にカーソルを重ねると、約3年前の同じ場所の写真が見られます。
北ノ切地蔵堂の前から南を眺めたところ。右手には昔ながらの青果店、亀忠商店さんがある。

2009/06/12撮影・2006/10/27撮影

Mapion
本町通り

本町通り

北ノ切地蔵堂の前から北を眺めたところ。
ここで本町通りは二股に分かれていて、国道1号との間が三角形の区画になっている。この三角形の内側には菓子店、洋品店、タバコ屋、喫茶店、大衆食堂などがあったが全て取り壊され、跡地は正色公園になっている。

2009/06/12撮影

Mapion

本町通り

写真にカーソルを重ねると、約3年前の同じ場所の写真が見られます。
国道1号との交点(下之一色交差点)から南に進んだところ。
この右手が、現在正色公園になっている三角形の区画である。

2009/06/12撮影・2006/10/27撮影

Mapion
本町通り

本町通り

国道1号との交点(下之一色交差点)から南を眺めたところ。
かつてはこの場所に「下之一色商店街」と書かれたアーチがあったが、老朽化により2004年ごろに撤去され、新たに街路灯が設置された。
この左手には長らく協和銀行(のちにあさひ銀行に)の支店があり、支店閉鎖後は後身のりそな銀行のATMが置かれていたが、国道1号の拡幅工事に伴い取り壊された。

2009/06/12撮影

Mapion

下之一色西交差点と本町通りを結ぶ通り

下之一色西交差点と本町通りを結ぶ通り

写真にカーソルを重ねると、約3年前の同じ場所の写真が見られます。
国道1号の下之一色西交差点から、本町通りの北ノ切地蔵堂までを結ぶ通り。
本町通りとともに商店街になっていたが、左手の建物は現在は全て取り壊されている。

2009/06/12撮影・2006/10/27撮影

Mapion
下之一色西交差点と本町通りを結ぶ通り

下之一色西交差点と本町通りを結ぶ通り

奥に見えるビルのところで本町通りと合流する。

2009/06/12撮影

Mapion

銀座通り

銀座通り

銀座通り

銀座通りは、本町通りと大門通りを結ぶように東西に延びる商店街。「一色銀座商店街」とも呼ばれている。
写真は本町通りとの交点から東を眺めたところ。

2009/06/12撮影

Mapion
銀座通り

銀座通り

道幅がかなり狭いが、「銀座」の名が付くことからも分かるように、かつては非常に賑やかだったそうだ。

2006/10/27撮影

Mapion
銀座通り

銀座通り

昔ながらの家並みが続く。

2006/10/27撮影

Mapion
銀座通り

銀座通り

本町通りとの交点から東に120mほど進んだところ。ここから先は銀座通りは南に延びている。
この近くの駐車場になっているところには、かつては「一色劇場」という映画館があった。

2009/06/12撮影

Mapion
銀座通り

銀座通り

こちらは銀座通りのうち、南北に通る区間。
右側に見える森は下之一色地区の氏神、浅間神社。このあたりは小規模な飲食店が建ち並んでいる。

2009/06/12撮影

Mapion
銀座通り

銀座通り

浅間神社の東側で。ここからさらに南に進むと、大門通りに出る。

2009/06/12撮影

Mapion

大門通り

大門通り

大門通り

大門通りは、下之一色地区の氏神である浅間神社の参道。1892年に拡幅されたため、下之一色地区の中ではかなり道幅が広い。
写真は魚市場通りとの交点から北を眺めたところ。通りの入口に浅間神社の鳥居がある。

2009/06/12撮影

Mapion
大門通り

大門通り

通りの中ほどから北を眺めたところ。
戦前まではここが下之一色のメインストリートだったようだが、戦後は本町通りに賑わいが移っている。

2009/06/12撮影

Mapion

大門通り

写真にカーソルを重ねると、約3年前の同じ場所の写真が見られます。
浅間神社の前で。かつてはこの近くに栄湯という銭湯があったが、取り壊されて跡地は駐車場になっている。

2009/06/12撮影・2006/10/27撮影

Mapion
浅間神社

浅間神社

下之一色地区の氏神。祭神は木花咲耶姫命。創建時期は不明だが、1574年に下之一色城主の前田与十郎により再興されたと伝えられる。
現在は隔年で一色まつりが開かれている。

2009/06/12撮影

Mapion

魚市場通り周辺

魚市場通り

魚市場通り

魚市場通り(県道228号)は、下之一色の街の西端を南北に貫く通り。新川左岸の堤防道路にあたる。通り沿いに下之一色魚市場があることからそう呼ばれている。
写真は中ノ切観音堂の前から南東を眺めたところ。

2009/06/12撮影

Mapion
魚市場通り

魚市場通り

大門通りとの交点を北西から眺めたところ。
かつての漁港に近いため、冷凍倉庫や水産加工工場が集まっている。

2009/06/12撮影

Mapion
新川堤防沿いの道

魚市場通り

大門通りとの交点を南東から眺めたところ。
現在本町通り沿いにある名古屋下之一色郵便局は、昭和末期ごろまではこの近くにあった。

2006/10/27撮影

Mapion
新元湯

新元湯

魚市場通りから一段下がったところにある、大正時代創業の銭湯。下之一色で現在も営業している銭湯は、ここが唯一である。最近はよくマスコミでも紹介されている。

2009/06/12撮影

Mapion
下之一色魚市場

下之一色魚市場

下之一色の街の南端、新川の堤防沿いに建つ市場。歴史は古く、安政年間(1854〜1859年)に創設された魚問屋に由来すると言われている。
かつては隣を流れる新川から船で魚が水揚げされていたが、現在は他所で採れた魚をトラックで運んで来ているという。
ここからさらに南に進むと、庄内川と新川の合流地点であった千間岬に至る。

2006/10/27撮影

Mapion

その他の路地

国道1号の1本南の通り

国道1号の1本南の通り

本町通りのJAの前から東に延びる路地。
かつて漁村だった名残で、下之一色の街の大半はこのような狭い路地で構成されている。

2009/06/12撮影

Mapion
西大寺の前の通り

西大寺の前の通り

本町通りの1本東を並行する路地。
この通り沿いにはかつて、アルプス温泉という銭湯があった。

2009/06/12撮影

Mapion
郵便局北側の通り

郵便局北側の通り

名古屋下之一色郵便局の脇から東に延びる路地。
このあたりは路地の中にも小さなお店が点在している。

2009/06/12撮影

Mapion

国道1号

国道1号

国道1号

言わずと知れた日本の大動脈。下之一色地区の北端を東西に貫いている。
写真は本町通りとの交点(下之一色交差点)から東を眺めたところ。市バスの一色大橋バス停があり、街の玄関口になっている。また、この奥の庄内川に架かる一色大橋は、撮影当時は架け替え工事のため仮橋になっていたが、2010年に工事が完了した。
ここから東に進むと中島、六番町を経て熱田に至る。

2009/06/12撮影

Mapion
国道1号

国道1号

本町通りとの交点(下之一色交差点)から西を眺めたところ。
一色大橋の架け替え工事と同時に周辺の道路拡幅も行われ、この周辺は大きく景観が変わった。右端に見える菓子問屋「フジヤ」さんは新しく建て替えられ、また左端に見える大衆食堂「京や」さんは立ち退き、跡地は正色公園になっている。

2009/06/12撮影

Mapion
国道1号

国道1号

下之一色西交差点から西に進んだところ。
左端に見えるのは、1910年に開設された下之一色青果市場。この建物を含め、ここに写っている建物の多くが道路拡幅により取り壊されている。

2009/06/12撮影

Mapion
国道1号

国道1号

善光寺前の歩道橋から東を眺めたところ。

2009/06/12撮影

Mapion
国道1号

国道1号

善光寺前の歩道橋から西を眺めたところ。
中央に見えるのは一色新町三丁目交差点で、ここを右に曲がると近鉄伏屋駅に至る。また、そのまま直進すると蟹江方面に至る。

2009/06/12撮影

Mapion

船頭場

県道106号

県道106号

船頭場(せんどうば)は下之一色から新川を渡った対岸にある街で、この県道106号は下之一色の本町通りから続いている。
写真は両郡橋の南詰から南西を眺めたところ。

2009/06/12撮影

Mapion
県道106号

県道106号

昔からの街道筋にあたり、下之一色に近いこのあたりはちょっとした商店街になっている。

2009/06/12撮影

Mapion

最後までご覧いただき、ありがとうございます。




名古屋市に戻る

TOPページに戻る




inserted by FC2 system